« 私のクラウド活用法 | トップページ | おばけつぶやき帳 »

2011年5月12日 (木曜日)

おばけつぶやき帳

私のお気に入りの歌に「うたよみはへたこそよけれあめつちのうごきだしてはたまるものかは」というのがあります。江戸時代に庶民が楽しんだ狂歌と呼ばれるジャンルの歌だと思います。この歌は上代文学の教養のもとに詠まれています。まずこの歌の意味をざっくり申せば、「歌詠みは下手な方がいいんだぜ。なんてったって天地が動いたりしちゃたまんねぇだろ」といったところ。この歌の意味は、古今集の紀貫之(きのつらゆき)による序文を踏まえていて、それを知っていると痛快に笑えます。紀貫之は古今集の序で「素晴らしい歌は天地をも動かす」といったことを記しておいでです。だから江戸時代の人は、天地が動くなんておっそろしいことになるよりは、下手な歌詠みがいいんだぜ!とくるわけです。そう言われると、うんうん、地震とかで山が動くのはゆゆしきことだから、歌詠みは下手が良いのね、となんだか安心してしまい、怠ける口実にしているおばけです。
けれど恐るべきは江戸の方々。かなり古い時代の歌集や物語を読み尽くし、そらんじていた上での狂歌とくれば、現代人の教養の薄っぺらさから生まれるものの将来が危ぶまれます。将来はないかもしれない。いまや、すでに天地動き出し、日本人が自ら便利で豊かな暮らしをするために造った原子炉をかかえ、放射能を怖れて暮らす日々に突入してしまっています。子どもたちの為に、何とかしてゆかねばならない日本及び日本人であります。

|

« 私のクラウド活用法 | トップページ | おばけつぶやき帳 »